身体を健康に導くために不可欠なことがある。
それはクライアントが【治癒に至る準備】が出来ているかどうかである。
この【準備】が非常に重要である。
こういったことはどの教科書にも書いていない。
しかし、オステオパシーを学ぶ仲間の中で同じことを言う施術家は多い。
いくつかあるのだが、まずは【自分の症状を自分の言葉で言えるかどうか】である。
これは問診表への記載の仕方でもだいたいわかる。
困っている主症状や既往歴についてびっしりと書く人もいれば、空欄や一言くらいしか書かない人もいる。
丁寧にわかりやすく書こうという努力が見える人と書きなぐったような書き方をする人もいる。
本当に良くなりたいなら、施術者により詳しく理解してもらう必要があるのは言うまでもない。
にもかかわらず、問診や問診票への記載で、わざとなのか、語彙力が乏しいのか、表現力がないのか、自分の症状を説明できない方がいる。
例えば腰の痛みがあった場合、
「いつから痛みがありますか?」と尋ねても、「いやー覚えてないです」とか。
「どのような時に痛みますか?」と尋ねても、「どのような時って言われても・・・」と
か。
あなたが自分のその症状についてわからなければ誰がわかるの?
来る前にこういった質問されるって予想してなかったの?
このような回答をする方は、まずご自身の体に向き合えていない。
それはイコール【治癒に至る準備】が出来ていないと判断する。
「本気で良くなりたいと思っていないのかな」と思ってしまう。
また2回目の来院のときにも
「前回受けた後はどうでしたか?」と尋ねても、「一緒です」の一言。
「前回はこの症状とこの症状をおっしゃってましたけど、この症状に関してはどうです
か?」と尋ねたら、
「あー、それはあれから起こってません」
それは良くなっているっていうことじゃないの??
このような反応をする方々は、往々にして「治してもらう・健康にしてもらう」という受け身の姿勢である方が多い。
自然治癒力は自身の体の内側にある。
このような方々には施術よりも前に、自分の身体と向き合うことの重要性を説明させていただく。
また、施術は健康になるためのきっかけに過ぎず、「治す」のはあくまでご自身の身体である、ということを根気よく説明させていただく。
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