病院勤務の頃から疑問に思っていたことがある。
それは患者さんへの言葉遣いについて。
私は基本的に患者さんには敬意を忘れず、敬語あるいは丁寧語で話すようにしている。
しかし、病院勤務での周りのスタッフは、患者さんに対して、敬語や丁寧語ではなく、ため口というか、フランクというか、崩した言葉遣いをされる方が一定数いる。
特に、80,90歳を超える高齢者の方に対しては特にそうである。
なぜ年配で目上の患者さんにため口が使えるのか疑問でしょうがない。
他のサービス業でお客さんにそんな対応をするサービス業はあるか?
「ため口でフランクなほうが高齢の方にとってはいい」、という自分に都合のいいように思い込んでいる者も少なくない。
年配の方に医療関係者が言葉を崩して話していることが、私個人としては好きではない。
良いのか悪いのかを議論するつもりはないが、とにかく好きではない。
患者さんにへりくだる必要は全くないと思っているし、患者様と奉る必要もないと思っている。
だからといって、ため口やフランクな言葉遣いをするのはモラルがなさ過ぎるのではないか。
まず大前提、多くの場合、患者さんは我々より年上である。
人生経験が圧倒的に長い。
長い会社勤めを終え、子どもを育てあげ、親や配偶者との死別を経験され、様々な人生の課題を乗り越えてきた方々である。
そして、今、病気や怪我、加齢により身体能力や認知機能が低下して、こちらに助けを求めておられるのである。
そのような方々の今までの人生に敬意を払わず、ただ今目の前の弱った状態や拙いコミュニケーション能力を見て、「相手はため口を使ってもいい存在」、「自分の方が優位な存在だ」、と愚かな誤解をしているように思う。
とても残念なのが、新人で入職してきたスタッフがそのような言葉遣いをしているケースがある。
2,3つ上の先輩には敬語を使うのに、なぜ60歳以上年上の方に敬語を使えないのか不思議でしょうがない。
おそらくどこかでそのような言葉遣いをしているスタッフを見て、高齢の患者には崩した言葉遣いをしてもいいのだと、覚えたのだろう。
私が思う一流の職人・プロフェッショナルは、技術の追求は当然のように行い、常に謙虚であり、相手に敬意・感謝を忘れない。
人によって態度を変えず、相手が誰であろうと、常に紳士的な態度を忘れない。
(あきらかに年下のお子さんなどに対してはある程度合わせるが基本的な態度や敬意は変えない)
相手に敬意を払えない言葉遣いの悪いスタッフはほぼ間違いなく、すべてにおいて三流である。
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